2013年8月15日木曜日

年を取ると歩くのが遅くなる原因は歩幅以外にもまだある。

スラっと歩くためには歩幅の維持


50歳を超えると歩くのが遅くなり、62歳が曲がり角。歩幅の維持を優先にしましょう。


先日書いた記事の続きです。加齢に伴い変化する身体機能が多くあります。歩幅の維持のためには下肢の柔軟性と体幹の回旋が重要になります。その理由は↓




バランス優先のため、1歩の割合が変化する



加齢とともに、1周期は長くなり、立脚期が延長し遊脚期が短くなる。また単脚(片脚)支持期の割合が減少し、両脚期の時間は長くなる。単脚支持期の短縮変化は加齢に伴う下肢筋力の低下やバランス機能低下に対する安定性確保のための合目的な変化である。

わかりやすく言うと、歩くときの片脚になる時間を減らし、両足で重心を移動する時間を長くする。できるだけ安全に動きたい自然の摂理です。





足が上がらない



加齢に伴って、踵接地期における足背屈角度の減少、股関節屈曲と膝伸展角度の減少などがみられ、それらが高齢者の歩幅減少、歩行速度の低下の要因と考えられている。下肢の10箇所の関節可動域の中でも、足関節の背屈・底屈の可動域の加齢変化(低下)が最も著しい事がわかっており、この要素が歩行能力の加齢変化として指摘されている立脚期蹴りだし期の足関節機能の低下と、遊脚期接地直前の足先の高さの低下の要因の1つであることは間違いない。
足首の硬さが特に目立ちます。バランス優先による歩行周期の延長に加わって歩幅の低下、歩行速度の低下の原因ですね。




体が傾く&回らない


歩行中の頭部の動きに関しては一般的に若年者出は片脚支持中期に最高位になり、両脚支持期で最低位になる。高齢者では片脚支持期の膝伸展不十分さのため頭部最高点が低くなり、その結果、上下動の振幅は若年者よりも小さくなる。また支持脚への体重移動に伴う頭部左右動は大きくなる。 体幹の前後動揺及び前傾度は大きくなる。 骨盤の水平回旋運動息は高齢者では若年者より小さく、胸より骨盤の回旋運動がより低下している。この骨盤回旋運動域の低下は歩幅減少の大きな要因となる。

高齢者は徐々に背中が丸くなり、前に傾く姿勢になります。また立っていても膝を十分に伸ばしきれなくなるので、背が縮んだと表現されることも。その姿勢変化が現れる時には体の回旋運動に制限が出てきます。俗にいう体が硬い、腰が回らないという状態です。




やはり歩幅の維持が第一義的に重要


歩行能力を保つためには歩幅の維持が重要です。そのためには歩幅の決定因である下肢関節角度の減少と片脚支持期の減少に対応する必要があります。

下肢の柔軟体操に加え、体幹の回旋(ねじり運動)が重要になります。歩くのが遅くなったからといってすぐに散歩を始めるのではなくて、柔軟からすすめてください。

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