2013年4月28日日曜日

歩数計は基本、どこにつけても検出誤差は10%以下。歩行速度が遅い人はどこにつけたらいいのかな?


後輩から歩数計をいただきました


昨年度、退職した後輩からスタッフの健康管理に役立てて欲しいと、歩数計をいただきました。ありがと~ございました。
では、今日は歩数計についてちと勉強したのでご報告です。





最近の歩数計はほとんど加速度センサ


私が小学生の頃の歩数計は装着者が歩行する度に生じる上下運動につられて錘が動くタイプでした。歩いてなくても上下に素早く振ることで歩数をごまかした記憶があります。




育成散歩計てくてくエンジェルPocketぐらいからは加速度センサが入っていたのかな~?
私が加速度センサを用いて研究を始めた12年前はセンサもまだまだ大きくて気軽に装着なんてできませんでしたが、時代は進歩してますね。





加速度センサなら歩行速度で結果が変わる


加速度センサは優れ物で、今では飛行機や携帯電話など日常生活で使用している物に多く使用されてます。


厳密な精度が要求される科学実験や地震計といった加速度の計測機器として利用される他に、歩数計や携帯電話の画面の上下方向を決めるのに使用されるなど、このセンサの用途は多岐に亘っている。
加速度センサ - Wikipedia(2013/04/28情報取得)



用途は多岐に渡るので汎用性も高いのですが、歩数計として用いる時に注意しないといけない事があります。それは歩行速度と装着位置です。条件に因っては計測精度が狂う可能性があります。




共同筆者の論文からご紹介


この歩数計の装着部位に因って結果が異なる事は昔から問題視されていました。それを解消するべく、共同研究した論文をご紹介します。

CiNii 論文 -  高齢者に対応した歩数カウントアルゴリズムの開発
堀田 庸介他 生体医工学46(2):283-288,2008

堀田さんの論文では、健常者と高齢者、片麻痺などの運動障害を有する者の歩数をカウントすると正しい値が得られない(誤差3~37%)事を指摘しています。また、歩行速度が遅くなるほど(54m/min以下)その誤差が大幅に増大することが報告されています。その改善策として独自の歩数カウントアルゴリズムをを開発しました。アルゴリズムから選択したフィルタを数種類組み合わせることにより、既存の歩数計では誤差が大きくなった歩行速度20m/minほどまでは高精度で歩数のカウントが可能となっています。
歩行速度が遅くなる高齢者には、高齢者対応の歩数計を探すのが吉です。



次に、歩行速度と装着位置の問題です。
上記の堀田さんのアルゴリズムを用いて、装着部位による影響を調べた研究からの報告です。


取り付け位置に依存しない歩数カウントアルゴリズムの検討
小林淳史 ライフサポートVol.21 No.2, 2009
小林さんの報告によると、腰背部、首さげ、胸ポケット、カバン、手首、ズボンポケット、足首の7箇所に装着して計測した結果、時速2km~5kmではどの部位でも誤差が10%以下でした。

歩行速度に自身のある?一般的な健常者の歩行速度が保てるのであれば、どこに歩数計を装着してもいいようですね。

(計測を一緒にしていたのですが、手首や足首も誤差が大きかった記憶が。手首用、足首用と適したアルゴリズムを選択することで誤差を抑えてたのかも)








まとめ


私自身の歩行速度は一般的な歩行速度ですので、歩数計をどこにつけても問題は無さそうです。


調べてみて気になったのは、歩行速度が遅い人の場合はどこにつけたらいいのかな?
ちと調べてみます。







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