2013年5月11日土曜日

学生さんに質問。実習中に眠くなるのはなんで?


ついついうとうとしてしまう。




大学・専門学校から療法士の実習がくる季節になりました。
数日から数週間もの間、親元からもしくは親元を離れ県外に実習に行く子も居ます。私も通ってきた道、後輩指導にと、いつもの調子で学生指導を行います。



数週間と長い実習期間の学生さんでよく見かけるのが居眠り。
なれない環境、毎日の宿題、症例レポート、偏る食事、不規則な睡眠時間。私も居眠りをしたことはたくさんあります。痛い目も見ました。



眠くなるのはなんで?

居眠りカップル / ryumu

居眠りをしている学生さんがいたらこの質問を良くします。


「眠くなるのはなんで?」

高頻度で帰ってくる言葉は「頭に血が回ってないから」


んな事ない。療法士として学校で学んできた知識を使って可能性を考えてみたら?と実習を通しての宿題にします。ちょくちょく「答えは分かった?」と質問をして学生さんと理解を深めています。



眠くなるのは血流のせい?

大盛り野菜多め、もやしのタワーや / naka_hide

頭に血が回ってないからってのは、間違いです。
食事後は、消化のために血液が内蔵に集まるから、脳への血流が少なくなる。そのため眠くなると考える人は多いと思います。
実際、食後は眠くなりますもんね。



人間の生理機能として、血液脳関門があります。この血液脳関門によって脳内の血流量は一定に保たれています。なので、「頭に血が回ってないから眠くなる」というのは正解ではありません。
血液脳関門 - Wikipedia


食後でも食前でも、脳内への血流量は変わらないのです。なので頭に血が登ってないから眠くなるというのは間違いなんです。



眠くなる時の条件は?



眠くなる時を考えてみましょう。眠くなる時は、体がつかれている時、夜、食後、座っている時、横になっている時。自分ではコントロール出来ない状況での眺め続けないといけない時、温かい時。



ざっと上げてみると共通する条件はなんでしょう?



体を動かしていない時、働いていても活動が最小限の時に眠くなります。
座っている時でも、興味があることに取り組んでいる、思考している、悩んでいるなど、頭と心を使っている時は眠くなりません。
頭も心も体も使っていない時は眠くなります。




人の脳は大脳、中脳、小脳と部位により機能が異なります。その中でも中脳近傍に存在する網様体が人の覚醒状態をコントロールの一役を担っています。


網様体の近くには内側毛帯という感覚情報の伝導路があり、四肢体幹の感覚情報が入力される度に網様体が反応し、大脳に強力な刺激を送ります。結果的に大脳への刺激により覚醒レベルが上がり、そく活動することができます。


四肢体幹の感覚情報の入力には、音や光、軽い皮膚への刺激、振動などの表在感覚と自ら関節を動かす時の関節角度情報や、体重を体で支えるときに感じる荷重感などの深部感覚があります。

関節も動かすこともなく、静かな環境でじっと座って臨床現場の見学をしている学生さんは、どうしても眠くなってしまうのは、四肢体幹の感覚情報が欠如、低下しているためなんです。




それを防ぐには?



学生さんが見学中に襲われる睡魔と戦いながら実習を過ごすにはどうするといいでしょう?網様体賦活系を使って積極的に覚醒レベルを上げる必要があります。



国家試験の勉強や臨床にきっと役に立つ
つまり、つい眠くなってうとうととしてしまうのは体を動かしていないからなんです。見学中に一生懸命に療法士の動きを目で追っても、感覚入力が少なくなる見学中はどうしても眠くなってしまうのです。



逆に考えると、どんなにつまらない見学でも、どんなにつまらない会議でも、どんなにつまらない勉強でも関節運動を取り入れることで居眠りを防ぐことができます。


関節運動の例として
  • 足首パタパタ
  • 机の下で膝の曲げ伸ばし
  • 椅子から少しだけ腰を浮かすw

とにかく、眠くなった時は関節運動を取り入れてください。




まとめ



ここぞって所でどうしても眠くなることが学生さんは今後もあると思います。
国家試験の勉強や臨床にこの居眠りを防ぐ方法は有効です。
無事、実習を乗り切ってくださいね。

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