2014年1月14日火曜日

療法士は専門家で研究者であるべき。技を極めるだけじゃダメな理由。

理学療法士になりたての1年~3年目の頃は自分の腕前を上げることが評価され、称賛されます。
『講習会に行ってきたんだ、頑張ってるね』の一言が嬉しかったことを今でも思い出します。


自分の腕前を上げる活動を年々重ねてくると、だんだんと職人気質が出てきます。

自分の腕前が上げれば患者さんが良くなる。
自宅復帰率が上がる。
歩行自立度が上がる。
と目の前の患者さんが回復に向かう、自宅に戻ることを経験する内に、腕前と共に自分の鼻も伸びてきちゃいます。調子にのった天狗ですな。


専門家と職人の言葉の違いを整理
専門家 Specialist : professional
は特定分野の技術や知識に精通しており、合理的科学的心理の追求を行い、研究成果を発表して、専門家同士で情報共有し、切磋琢磨できることが要されます。


職人 Workman : ctaftsman
は卓越した技術を提供できる事を職業とした人です。

言葉の持つ意味合いで専門家と職人は異なります。
もちろん、専門家であり、承認でもある人は居るでしょうが、理学療法士は専門家であることが前提であり、職人だけを求めてはならないのです。


療法士は専門家で研究者であるべき
もちろん調子にのらずに自分自身を律して職人として技を高める行動を取る人もいらっしゃいます。技術を高める中で、自分の技術を見直し、改良し、実践する。その結果を見て考察し、更に自分の技術を見直す。
これって、研究活動そのものなんです。

臨床で出た疾患に対する疑問に対して、
技術をもって挑む(研究テーマ?)

その結果を残す(カルテ・研究メモ)

その結果を見て傾向を知る(統計分析)

傾向から次の一手を考える(改良・統合と解釈)

行動する(再実施・再計測)

またその結果を残す(カルテ・研究メモ)

の繰り返し

その活動を職人さんは自分の中だけで処理して、自分の中だけでとどめてしまう。
もったいない!

この繰り返しを自分の中に留めるのではなく、同僚に・職場の先輩上司に、院外に伝えることは療法士にとって必須な行動です。

研究しないから研究法は知らなくても良いとい人も居ると思いますが、研究結果を活かすものとして、その結果を受け止める側としても必要な知識となります。

研究成果は全てが正しいとは限りませんから何が正しくて何が間違っているのか、さらにはそれを専門家として適切に評価し、対象者の個人差を考慮して提供できなければならないことからも、療法士に研究者になることは必要なんです。


まとめ
療法士は専門家で研究者であるべき。
技を極めるだけじゃもったいない。


新人教育プログラム資料より

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